#9 大学生のおすすめ勉強法について真剣に考えてみる。A・W・コーンハウザー『大学で勉強する方法』
こんにちは。kazuです。
今日は、私がこの数か月間悩みに悩んで編み出した、大学生の勉強法について書いていきたいと思います。大学生じゃなくても、役に立つかもしれませんので、ぜひ読んでいってください。
「優」「秀」を効率的に取れる方法は知らない
私は、1年間の浪人生活を経て、この春無事に大学生になりました。
しかし、大学というのは、大学入試までとは全く異なる勉強法が必要になるものです。私は大学院留学を考えているということもあって、大学院での研究のために、学べることはすべて学んでおきたい! というのが本音。
単位を「優」や「秀」で取る方法というのは私にはわかりません。だって、先生ごとに評価の基準は違うし、そもそもそのために勉強してるんじゃないし。私にとっては学ぶ内容がどれだけ自分の血肉になるかの方が大事。もちろん、単位も欲しいですけどね!(笑)
だから、ここでは、どうやって大学での「学び」を自分のモノにしていくか、ということについて書きたいと思います。
kazu流勉強法の3つのポイント
さて、ここ数か月間、大学生の勉強法や大学生活の過ごし方に関する本は山ほど読みまし。それで、いろんな方法を試してみて、よかったなあ、と思う方法を私なりにリミックスして、紹介します。
※ちなみに、私は文系なので、文系の勉強法しか書けません。
(理系のみなさんごめんなさい……)
ここで紹介する私の勉強法のポイントは3つ。
- 「語学」と「語学以外」の勉強法は違う
- メモを2種類使う
- アウトプットを重視する
それでは、行ってみましょう!!
ポイント1 「語学」と「語学以外」では勉強法が違う!
これは、まあ、当たり前の事ではあるのですが。
皆無意識に勉強法を分けていると思います。なぜなら、「語学」は一部を除いて勉強の目的ではなく、「手段」であり、生活の「ツール」でしかないからです。
「ツール」を身に付けるにはやはり、使うしかありません!!
語学以外に関しては、それこそ本を読んだり、考えたりします。
ここでは、皆さんに一番身近であると思われる英語を例に、語学の身につけかたについて説明しましょう。
わかりやすく言うと、英語「を」勉強するのではなく、英語「で」勉強する、ということ。これを取り違えてはいけません。
大体、中高6年間みっちり英語をやらされて来ていて、英語が「全く使えない」なんてことはないわけですよ。英語に関する知識はもうあるし(忘れているかもしれないけれど)、もう十分英語「を」勉強してきたんですよね。
だから、英語「を」勉強するのはもうやめましょう。
といっても、全く使わなくなってしまっては、英語力は下がっていきます。
そこで私が実践しているのは、
「英語による大量のインプットとアウトプット」です。
例えば、次にあげるような実践例が挙げられます。
- 自分の専門分野(私なら教育学)の情報元を英語にする
- 洋楽、洋画を英語だけで楽しむ
- 英語を使う環境に強制的に身を置く
こうした中で、ホントにわからなくなった時に、電子辞書などでパパッと調べてひとつひとつ解決していきます。
「覚えよう」とは思わなくて大丈夫です。わからなくなったらまた調べりゃいいんです。3回も調べれば覚えます。
ネイティブと話しているときは、英語で「どういう意味?」って直接聞けばいいです。
わからないことは「わからん!」と正直に言って、教えてもらいましょう。時間の短縮にもなります。
これは、私たちが日本語を話せるようになる過程とほぼ同じ。大量のインプットとアウトプットで、とりあえず何度も繰り返して、使い方を身につけましょう。
ただ、試験(TOEFLなど)を受ける場合は、「試験勉強」なるものをしなければなりません。そういう場合は、時間を確保して備えましょう。(語学の試験に向けた勉強法などは、また後日。)
ポイント2 メモは2種類使う
さて、語学以外の勉強法を考えてみましょう。
私は大学生なので、大学の講義を受けるという前提で話を進めていきます。
私の勉強法で一番大事なのは、
- ノートを「アイデア」と「知識」で分けておくこと
です。それぞれ説明していきます。
知識ノート
これは、新しく知ったことをメモしておくためのモノです。形は問いません。
私は、講義で使われるレジュメとテキストに大半をメモして、スペースが足りないときはルーズリーフに書いて、プリントとホッチキスなどでまとめいています。
このとき、スペースがあまりないのでちょこちょことしか書けません。だから、授業後はすぐに見返して、使えそうな知識・忘れてしまいそうなものは改めて「京大式カード」に書き起こしています。
ここでのポイントは、全てを書かないこと。
テキストを見てわかることは、ほとんど書きません。時間もないですし。先生のちょっとした雑談とか、再生不可能なものだけをピックアップします。
このときに、頭の中で先生の話をもう一度再生しなおしたり、自分で講義をしてみたりすると、記憶に残りやすくなります(これは、セルフティーチングといって、大学受験なんかにも効果がある方法です。参考は板野博行『勉強の鬼原則~合格したかったら、この本に書いてあることをやりなさい~』)。
アイデアノート
その名のとおり、アイデアだけをひたすら書くノート。
私はコクヨのB5の100枚つづりのノートに、いろいろ書いているのですが、内容は、
授業での疑問点、レポートの構成、テスト勉強、部活のTシャツデザインの構想…
要は、何でもありです。書き方も自由。マインドマップだったり、フローチャートだったり、箇条書きだったり、文章に書き起こしたり、絵にしてみたり。
ただ、2つだけルールがあって、それは、
- 自分の頭の中から取り出して書くこと。
- 日付と内容でページを分けて「何について」「いつ」書いたのか後でわかるようにしておくこと。
「教科書を写す」とか「先生の話をメモ」とかはこのノートでは禁止。そういったものは、知識用のノートに書きます。
ジャンルを分けないと不安! という人がいるかもしれませんが、私は、逆にジャンルを分けないことが、アイデアを出すにあたっていいと思っています。新しく何かを考えるときに、ノートの前のページを見直したりもするのですが、その時に、全然関係ない分野のメモがいいヒントになったりするからです。
メモの書き方・ノートの取り方
「書き方は自由!」とは言いましたが、あまりにも漠然とし過ぎなんで、読んでいて参考になったな、と思った本を2冊ほど挙げておきます。
まずは、この本。
企画、アイデア、プレゼン、会議、こんな使い方があったんだ!サントリー「伊右衛門」ほか数々の名作CM・ヒット商品を量産してきた魔法のメモ術を初公開!著者のおともだち、伊坂幸太郎氏のメモ術も掲載! (「BOOK」データベースより)
これは、いろんなメモの取り方が載っていて、すごく参考になりました。これを基に、自分が使いやすいようにアレンジした書き方を、主にアイデアノートで使っています。
次に、この本。
アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。 (「BOOK」データベースより)
「大学生 おすすめ 本」とかで検索したら、かなりの確率でヒットする本です。ロングセラーなだけあって、読みやすいのに内容が濃くて面白い。
ノートの取り方について少し載ってる部分があり、それが結構参考になります。ただ、主に「思考の整理」の方法について書いてある本なので、どっちかというと、ノートを書く前段階の話が多いです。
それでも、「アイデアの種をこう育てていったらいいんだな」というイメージがつかめて、ノートに書く内容も濃くなるので、ぜひ読んでみてください。
ちょっとブレイク
以前紹介した本ではあるのですが、アイデアの出し方について、面白い方法があったので紹介します。それがこの本。
たった1行で、人は踊らされる。メール、企画書、LINEで使えるメンタリズムシリーズ最終兵器。 (「BOOK」データベースより)
この本に、「制限時間を決めて関連する語をどんどんピックアップしていく」という方法が紹介されています。茂木健一郎先生の本によると、これは、「タイムプレッシャー法」と呼ばれて、脳科学的にも脳の働きの効率を上げる効果があるようです。
勉強は苦手だ、記憶力に自信がない、集中力が続かない、などと悩む人は脳の特性を無視した勉強をしているのでは?「勉強が面白くてたまらなかった」という著者が、自身の体験と脳科学の観点から独自の勉強法を大公開。“快感を生む「強化学習」を習慣にする”“集中力を養う「『鶏の恩返し』勉強法」”など、子どもから大人まで誰もが勉強好きになる具体策が満載。80万部のベストセラー待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)
ポイント3 アウトプットを重視する
これは、先ほども言及したこの本から得た知見です。
勉強の鬼原則~合格したかったら、この本に書いてあることをやりなさい~
なぜこれだけ勉強法の本が出ているのに、いまだに受験生の学力が上がらないのか?ゴロゴ板野が自信をもって君に贈る、1日で読んで、2日目から実践できる究極の勉強法。 (「BOOK」データベースより)
これは、なかなか骨のある本です。まさに「鬼原則」。勉強の王道というか、基礎基本のやり方を教えてくれます。私は、浪人時代と大学生になってからで「勉強法」に関する本をそれこそ30冊ほど読んできましたが、かなり強烈に印象に残っている本です。
中でもおすすめなのがセルフティーチング。自分で自分に教えるように勉強内容を振り返る復習法です。
私は高校時代、某有名進学校に通っていたので、周りには東大を受けるような友達もいました。その中でも一番勉強のできた子(東大文系Ⅰ類に現役で合格)は、何を聞いてもわかりやすく教えてくれました。下手に先生に聞くよりわかりやすかった(笑)。
その時に思ったのは、「人にわかりやすく説明できる」が理解の最高レベルだということ。池上彰さんもよくおっしゃてますよね(池上彰『伝える力』)。
だから私は、セルフティーチングを大学の勉強に取り入れることで、より理解を深めるようにしています。
他にも使えるのが、「自分で講義内容に関する質問を作って答えていく」という復習方法。これは、単なる講義の再現ではなく、テスト問題まで自分で作ってやろうという方法です。これが紹介されていたのが、表題にもなっている、この本。
勉強にはどんな意味があるのか。効率的な勉強には何が必要か…。教材をたくみに、そして効果的に習得するためにシカゴ大学で書かれたもの。出版されてから四半世紀にわたって読まれているテキスト第3版の翻訳。(「MARC」データベースより)
これもまた王道。大学生は絶対読んでほしい。
何がいいってその薄さ。わずか90ページほど。でも、内容は本当にどの本よりも濃いです。めちゃくちゃ参考になります。「学ぶ」「勉強する」とは何かがわかります。
超絶おすすめです。
講義や読んだ本のテーマに関する質問を、自分で作って自分で解く。私はそれを、先に解説した「アイデアノート」にまとめています。
本を読む方法について
質問を使った復習法に関連して、アクティブに本を読んでいく方法についての良書を一冊紹介します。
文章がドンドン読み進められる!本の大切なことが頭にスラスラ入ってくる!教科書、辞書、試験問題、新聞、ビジネス書、小説など、あらゆるものに活用できる!集中力が増す、画期的読書法。 (「BOOK」データベースより)
フォトリーディングというのは、画的に字面をとらえる方法で、要は一種の速読なのですが、この本に書いてある「全体の流れ」が『大学で勉強する方法』に書いてある読書術に応用できます。
その「全体の流れ」を簡単に説明すると、
- 本を読む目的をきめる
- 目次で内容を確認
- 速読で内容を潜在意識に落とし込む
- 質問を作る、キーワードを抜き出す
- 答えを探しながら読む(必要あればノートにまとめる)
という感じです。
4番目の、質問を作る段階で、大学の勉強でいう「批判的思考」や「様々な角度からの質問」を取り入れれば、かなり密度の高い読書になります。
その質問のつくり方のヒントになる本が、この2冊。
大学を卒業するとみんな就職するのに、大学では「その先のこと」は教えてくれない。ただ漠然と四年間を過ごすのではなく、より良い未来を自らの学びで手に入れるのです。 (「BOOK」データベースより)
知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く―それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みとる力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄。 (「BOOK」データベースより)
どちらも、とっても面白い本なので、ぜひ手に取って読んでみてください。
まとめ
めっちゃ長い記事になってしまいました……
もう一度ポイントをおさらいしておきましょう!
- 「語学」と「語学以外」の勉強法は違う
- メモを2種類使う
- アウトプットを重視する
本当は、タイムマネジメントの話まで書きたかったし、まだまだ良書もたくさんあるのですが、もうすでに5000字を超えているので、また別の記事にしたいと思います。
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
kazu